KouheiNakamura

フレンチ・コネクションのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)
4.0
実録NY市警24時!フランス麻薬コネクションを追え!!


1971年のアカデミー賞4部門受賞した刑事映画の金字塔。…なんだけど、不勉強ながら未見でした。同じ年に公開したダーティーハリーとは色々な意味で対照的なので見比べて見ると良いかも。

NY市警察本部麻薬捜査課のポパイ・ドイル刑事はある日偶数見かけたイタリアン・マフィアを怪しいと睨み、相棒のバディ・ラッソ刑事と独自に捜査を進めていくのだが…。

始まってすぐに、余りにもそっけない画面に面食らった。そっけないと言うと印象が悪いかもしれないが、あまり映画っぽくないというかドキュメンタリーのような撮り方だなーと思ったのだ。後から調べてみれば何のことはない。監督であるウィリアム・フリードキンは元々ドキュメンタリー出身だった。全体的に画面の粒子は荒くザラついているし、時折流れる音楽も実録モノを意識しているのかそんなに主張しない。しかし常に画面からは緊張感が伝わってくる。それは役者陣の熱演や全編ロケ撮影を行ったゆえの緊張感だろう。
一見すると淡々と進んでいく前半にも映画らしい対比が効果的に使われている。例えばポパイ刑事は基本的に常に苛立っているように見えるのに対して、イタリアン・マフィアのボスは自信に満ちた態度を崩さない。マフィアたちが暖房の効いたレストランでフルコースを食べている時、彼らを張り込むポパイ刑事たちはべちゃべちゃしたピザを食べている…などなど。

じわじわと犯人たちを追い詰めていく前半から一転、後半は狙撃シーンにカーチェイスに銃撃戦にと盛りだくさん。そして呆気にとられるラスト。
最初はあまりにも投げっぱなしのオチにビックリしたが、考えてみればこのオチ以外はありえない。ポパイ刑事は狂人すれすれの人間だ。闇の中にも臆さず飛び込んでいく。一方のバディ刑事はというと…。

シンプルだが、味わい深い一本だった。おすすめです。
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