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死にゆく者への調べのHKのレビュー・感想・評価

死にゆく者への調べ(1972年製作の映画)
3.0
ソ連の物理学者リノ・ヴァンチュラが核燃料の視察で訪れたイギリスで拉致されるが、実は16年前にもヴァンチュラは拉致されており、その時はフランス人で、つまり東側に拉致されて転向し、あちらの人間に染まった頃こちらにやって来て事情知るMI5に連行されて潜伏中のスパイ明かせと迫られる・・・って、話分かります?でも言う通りにすればKGBに殺されるってことで、新しい身分をくれるというMI5をも振り切り逃走、フランスに帰るが、妻レア・マッセリ、いや、元妻マッセリは新しい人生を歩んでしかも、ふたりの愛した息子は死んだのだという。もはや誰も信じられず、ひとり山中に身を隠すヴァンチュラを励ますのは一匹の犬だった、というこの原作を書いたのはセリ・ノワール作家のフランシス・リックで、ほかのリック原作映画といえばちょい前にソフト化された『暗殺の詩』(73)があるが、あの風変わりな感じが好きな人にはオススメ。ともかく、追われる映画は数あれど、これほど哀愁誘う作品はそうはないはず。オッサンにはハンカチが必携である。そしてこの12年後、ピノトー&ヴァンチュラのコンビは再び追われる男の物語を作る。そこには、またしてもマッセリの姿が。
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