広島カップ

旅情の広島カップのレビュー・感想・評価

旅情(1955年製作の映画)
3.8
独り旅を満喫しようと水の都ベネチアにやって来たアメリカ人独身女性(キャサリン・ヘップバーン)。

あちこちにカップルがゾロゾロいるお熱~いお国柄のイタァリアに女性一人で来てはダメです。
独り身の淋しさを感じること必至です。笑

彼女がベネチアに到着した時の「嗚呼、良いところに来たわぁ」という旅のワクワク感、そして街中をウロウロするうちに案の定「なんだか淋しいわぁ」と感じてくる辺りも良く出ていました。
そしてロマンスとやがて来る別れの時。
ヒロインの心に去来する旅の終りの余情……
ホームを離れる列車の窓から身を乗り出して彼に手を振る仕草の見事さ。
肩、肘、手首そして指先までのバレリーナのようなしなやかな動きに余情がタップリ表現されています。
正に"旅情"100%の作品でした。

イタリアが舞台ですしヒロインが双方ともヘップバーンですし『ローマの休日』(1953)が自然と浮かんで来てしまいます。
ローマ…の二年後の製作ですがデビット・リーンはウィリアム・ワイラーにかなり対抗意識があったのでは無いでしょうか?笑
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