EllenAim

動くな、死ね、甦れ!のEllenAimのレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
3.9
第2次世界大戦直後のスターリン独裁政権下、極東ロシアの炭鉱町で暮らすイタズラ好きの少年ワレリカと一人の少女ガリーヤ。
貧しさに囲まれ、大人も誰もが自分のことで精一杯。
イタズラ好きのワレリカに、いつでも唯一手を差し伸べてくれる、味方をしてくれるガリーヤ。

1989年の作品ではありますがモノクロですし、ロケーションやセットの細かなところを見ても、もっと昔につくられてる作品のようで巧く創ってるなという印象。


日本人捕虜の姿や、よさこい節、炭鉱節を唄う日本人捕虜、少年の唄う歌もどこか悲しく、胸に刺さる。
この地にいる人たちの日常の凄まじさがリアルに描かれてる。


ストーリーは淡々と進むのですが、忘れられない作品となりそうです。
そして、ラストシークエンスが…。
カネフスキー監督、なかなかエキセントリックでございますな。
この監督、ストリートチルドレンだったそうで、8年間無実の罪で投獄されてた経歴の持ち主なそうです。

当初タイトルは《守護天使》にする予定だったとか。

こちらカネフスキー三部作といわれる作品の①で《ひとりで生きる》《ぼくら、20世紀の子供たち》も後で観ようかなと。

それにしても、この少年(パーヴェル・ナザーロフ、この少年もストリートチルドレンだったそうで)
いかにも悪がきって目をしてるもんなぁ。
うまいこと発掘したもんだ。
少女役のディナーラ・ドルカーロワもいいですよ。

線路を二人で歩いてくるシーンやガリーヤが「もっと歌を唄って」というシーンいいなぁ。

音楽もどこか切なく寂しげですごくハマっていた。
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