EllenAim

オッペンハイマーのEllenAimのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

”原爆の父”といわれた男の栄光と没落を描く

1942年、第二次大戦中、米国はナチスドイツに対抗するため、ルーズベルト大統領は原爆開発を決定する。マンハッタン計画と名付け、オッペンハイマーをはじめとする精鋭科学者たちが招集される。
機密保持のためニューメキシコ州の山地にある、ロスアラモス(科学者たちの家族のために学校など一つの町を造る)で原爆の研究・開発が進められた。
オッペンハイマーは研究所の初代所長に任命され原爆製造研究チームを主導する。計画は成功し名声を得るが、原爆の威力に苦悩することになる……やがてソ連のスパイとして疑惑をかけられる…。

自責の念に駆られるオッピーというかキリアンの姿には惹きつけられ涙が出てしまった。トルーマン大統領との対面シーンなんかもね。
オールドマンは眼差しや口調が巧すぎて腹立ったし。実際のトルーマンもこんな感じだったのかな。
キリアンは前から好きな俳優でしたが、遂にオスカー俳優になりましたか。スケアクロウの人が遂に。

ストーリーは淡々と進むんだよね。
投下するしないの辺りは、もう少し深く描かれていてもよかったのではと思う。
登場人物が多かったり会話劇で3時間と長いけど、ちょい伝わりにくいというか、ちょい端折ってるでしょ、というような所もあるんだよね。
ラストはアインシュタインと巧く纏められてたけど。
博士はMr.ロレンスでしたね。

ジーンは他殺説というのもあり、本作ではそんな描写もチラリとあったような気がします(一度しか観てないので確認してませんが)。
原爆開発の最中に、心配とはいえジーンに会ってしまうオッピーもいかんよね、しかもジーンは共産党員ですし。
妻キティは共産党を離脱した身ではありましたが…。

オッピーが原爆を造らなくても、きっと誰かが造っただろうし、ドイツが造ったかもしれません。

やるせなく色んな事を考えされる映画でした。「今、我は死神なり、世界の破壊者なり」
権力者よ、どうか本来あるべき姿、心を。


いきなりジーンとオッピーの全裸には驚きましたが、ノーラン作品では珍しいですね。ベッドシーンならまだしも。

【IMAXレーザー】
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