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ルビー・スパークスのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)
4.1
設定はファンタジーですが、リアルに恋愛を描いていておもしろかったです。

どんなに愛していても、時間が経つにつれ、もっとこうならいいのに…なんて相手への小さな不満や願望は出てくるものですが、自分の思い通りになれば万事うまく行ってハッピーなのかと言えば、それも違う。
それは、恋愛とは一方的なものではなくて2人の関係性の中で深めていくものだから、相手に求めるばかりでなく、自分も努力したり相手を思いやりながら、一緒に育てていかないと、どこかしら綻びが生まれて破綻してしまうものなのかもしれません。
まあ、そうそう都合の良い女はいないということで(笑)

大切なルビーの事を尊重したい気持ちと、でも他の男と親しくなって欲しくなくて束縛してしまう気持ちの葛藤なんかは、誰しも経験することでしょうし、どんどん書き変えられていって自分自身がなくなっていくルビーの叫びも痛々しく、ありのままの相手を愛することの難しさをリアルに描いていました。

ルビーとのできごとを通して、自分自身を見つめ直し受容し、成長したカルヴィンのこれからが、幸せであってほしいと思いました。

あと、映像のセンスの良さもこの作品の大きな魅力のひとつですね。
2人のファッションも、カルヴィンはパステル、ルビーはビビッドでそれぞれの性格が表れていたし、どちらも白い家との相性は抜群。
はじめの方に2人でプールで潜るシーン、青い海と白いビーチで戯れるシーンなどなど、色合いや撮り方が計算されててすごく綺麗なので、そこもとても楽しめました。

【14ー8】
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