たかこ

レ・ミゼラブルのたかこのネタバレレビュー・内容・結末

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

はるか昔、たぶん小学生ぐらいのときに原作を読んだ。
ものすごく心を揺さぶられて、悲しいとか辛いとか理不尽さとか、そういう気持ちを味わったと記憶している。
でも、細かいとこまでは覚えていない。
なのでこの映画は、この映画として、観た。

映画なんだけど、舞台を観ているような感覚がした。
そういうふうに意図してつくってるんだろうけど。。。

囚人が歌う、下向け、下向け、という曲を、貧しい民衆も歌っていて、
虐げられる境遇は同じなんだなと思った。
アン・ハサウェイが歌う曲とか、
革命の曲は有名で、耳にする機会もあったので、これか!!と、ちょっと感動した。

雨に打たれて悲恋を歌い、マリウスの腕の中で息を引き取る時も雨。
そんなエポリーヌが切なかった。
宿屋の主人夫婦がコミカルな役どころ。
ヘレナボナムカーター、似合ってる!
マリウスの友達役のアーロン・トヴェイトがいいなと思った。

悪人は取り締まらなければ、と使命感に燃えていたジュベールが、
ジャン・バルジャンに助けられて、
悪人とはなにか、正義とはなにか、
職務とは、自分の今までの人生はなんだったのか思い悩んで飛び降りるところが、これはミュージカルであるがゆえの
薄さになっちゃってると思う。
過去にジャン・バルジャンを取り逃がしたときも塔の上の落ちそうなギリギリを歩いていて、この人の気持ちの危うさを感じた。

ジュベールが死んだことを知っていたら、ジャン・バルジャンはコゼット達と一緒にいたかな?
いや、もし知ったら、自ら命をたっただろうなと思った。

ラスト、エポリーヌや少年や若者たちが
砦の上で革命の旗をふって歌う。
ジャン・バルジャンもファンテーヌも、穏やかな表情をしている。
暗い夜はあける、明日が来るとき新しい未来がひらける、明日は来る!!!
と、高らかに歌い上げるんだけど、
この人たち全員死んでるんだよね、、
と思う。
亡くなってて「明日は来る」って、
どういうことなんだろうと思ってしまった。
残った人達に希望を託す、みたいなことなんだろうけど、それなら生きてるマリウス達も混ぜてほしかったなあ。。
そしたら、君たちを忘れない、って意味になるだろうと思った。
いいシーンなので、個人的には、そういうのが良かったな。

愛するコゼットに看取られて、これからは逃げたり怯えたりしなくていいんだって、安らかに眠りにつくジャン・バルジャン。
死が安らぎ、ってのは、
ある意味、そうなんだろうな。
そうでない「死」は、悲惨だもんな、
などと思って、観ました。
ミュージカルとして最高峰だと思います。
たかこ

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