ろ

レ・ミゼラブルのろのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
5.0

色、世界の色は日々塗り替えられている
レッド 怒れる民衆の血
ブラック 弾圧の過去
レッド 新世界の夜明け
ブラック 長かった夜の終わり


ああ~~なんて素晴らしい。
鳥肌が立ちました。

リーアムニーソン版のレミゼも観ましたが、ミュージカル好きとしてはこちらの方がときめく。どの曲も歌詞とメロディがとても素敵で、時に奮い立たされ、時にうっとりしながら聴き入りました(*´ω`*)

やっぱり「夢やぶれて」は最高ですね~。
人の悪意にまみれて、不条理な状況に追いやられて、絶望の淵に立つファンティーヌが歌うからこそグッとくる。
「輝きに溢れていたはずの人生。こんな地獄を生きるはずじゃなかった」
感情が止められなくて、涙が流れ落ちる。それでも力強く歌う彼女の姿に胸を打たれる。心が震えて、目が釘付けになります。なんて美しいのだろう。


世間を憎んできた男 ジャンバルジャン。石のように心を閉ざし、罪人として生きてきた。
そんな彼は司教の影響で改心。仮釈放書を破いて自由になります。

一方、ジャンバルジャンを長年追い続けてきた警官ジャベール。
彼は法に従って悪人を裁く、正義の男です。

ジャンバルジャンもジャベールもそれぞれの信念を貫いて生きている。しかし、2人とも迷いが生じ、悩むシーンがあります。

ジャンバルジャンは過去の自分を葬り去って生きていた。そんなある日、「ジャンバルジャンが裁判にかけられる」という話を耳にする。誰かほかの人がジャンバルジャンとして裁かれようとしている。彼の中で善と悪の戦いが始まります。
自分が何年も築いてきた市長という地位を手放すのか?
身代わりがいるってことは私にとってチャンスだ。今、名乗り出れば身の破滅。
だが、黙っていたら自分の信念に背くことになる。私は地獄行きだ。
悩んだ末、彼は自分がジャンバルジャンだと名乗り出る。自分の道を貫くんですね。

ジャベールは後半、ジャンバルジャンに命を救われます。そのおかげで彼は葛藤する。ジャンバルジャンは本当に悪人なのか?自分は間違っているのか?正しいのは俺か奴か、どちらなんだ?
そして、最後はジャンバルジャンを見逃すんですね。
そんなジャベールは、法に背いた自らを裁く。
彼は最後まで自分に正直に生きたんだなぁ。とてもかっこよかった。


魅力的なキャラクターはたくさんいるのですが・・・。
特に私が好きなキャラクターはエポニーヌ!!!

彼女は幼少期をコゼットとともに過ごし、今はマリウスの友人。でも、密かにマリウスに恋をしているんです。

そんなある日、マリウスは街でコゼットに一目惚れ。
エポニーヌはコゼットの情報を集めるよう、マリウスに頼まれます。(なんて切ないっ(´Д⊂ヽ)そして、エポニーヌの計らいでやっと会えた2人は愛を確かめ合う。その2人の姿を見つめるエポニーヌ。ああ、なんて切ない!!!

エポニーヌは1人雨に打たれながら歌うんです。
「望んでも虚しいだけ。愛の言葉も何もかも諦めるほかないの」
「彼を愛している。でも日ごとに思い知らされる。今までだって、あたしは恋人のふりをしてただけ」
「愛してる。でも届かない。あたしは独り」
ああ~~(T_T) 切ない!切ないよ!
私の中のリトルひろちゃんは鼻水と涙、ダーダーですよ!もう滝汗ならぬ滝涙ですよ!!!

そして、彼女もまた革命に参加するのですが、、その最後も切なくて、でもやっと報われたよね、きっと!その場面も涙なみだ。。


たくさんの人生を垣間見れる今作。
革命に散った人々の生きた証。

これは1度劇場で観てみたい。


戦う者の歌が聞こえるか
怒れる者の歌声が
抑圧の鎖断つため
立ち上がった者の歌

熱き心臓の鼓動が
ドラムと響き合えば
明日が来るとき
新たな命が始まる
ろ