滝和也

相棒シリーズ X DAYの滝和也のレビュー・感想・評価

相棒シリーズ X DAY(2013年製作の映画)
3.5
犬の如き、執念と
凶暴さで犯人を追う
刑事(デカ)
冷静な目でネット上
の不正を追う
サイバー捜査官

二人の刑事が追う
X-DAYとは何か…?

「相棒 X DAY」

人気刑事ドラマ、相棒スピンオフシリーズ第二弾。亀山薫とのライバル関係で人気を博した捜査1課刑事伊丹(通称イタミン(^^))と新登場サイバー犯罪対策課捜査官岩月の好対照な二人のバディストーリー。

東京明和銀行のシステム課の中山が殺された。ビルからの落下だが、燃えた100万円が散乱していた。急行した捜一伊丹は現場でサイバー捜査官の岩月と出会う。中山はジャスティス11のアドレスでデータをNet上に流していた。謎のデータで繋がれた二人は反目しながらも捜査を開始するが…。

熱血で一本木な昭和なデカが冷静かつドライで明晰な理系の刑事とコンビを組むと言う形…。これ初代相棒亀山薫と杉下右京が組んだ形と実は同じ。如何に亀山薫と伊丹が似ていて、同族嫌悪だったか良くわかるんですよね(^^)

難しいことはわかんねぇと言う伊丹は正に古いタイプ。但し殺人犯を逮捕すると言うシンプルな正義感は折り紙付き。そのキャラクターを見事に活かし、金融やシステムと言う古いタイプには最も苦手な題材にし、そこに専門捜査官を宛行う事で犬猿の仲の二人がバディになる王道ストーリーが出来上がりました。

日本の財務と言う巨大な闇が立ち塞がる中、杉下右京は二代目相棒神戸尊と別れたばかりで不在の状況。その状況を活かして伊丹以外の各キャラクターも活かされており、右京さん不在のため(笑)いつも以上にカッコ良く描かれていますね。伊丹、若月のコンビ以外にも、暇か?の角田課長率いる組対5課、大河内監察官にも見せ場があり、角田課長のアクションや老獪なテクニックを見れます。また二代目相棒神戸尊も片山雛子議員と共に暗躍(^^)しちゃいます。

かなり重い題材なので…解決部分がやや軽いし、その謎が解けた後の話のつなぎが上手くなく、モヤモヤが残るのが難点でしょうか。バディものとしては良くできていますし、その部分がメインとなれば○でしょう。ただ…やっぱり最後のつなぎが端折られてるのは良くないかな…伊丹の努力の方に重きを置いて欲しかったですから。またこの後の事が予測され、ドラマにも影響がと当時思いましたからね…何の影響も、なかったですけど…(笑)

伊丹演じるは平成のアポロガイストこと川原和久さん。僕は伊丹のキャラクター含めて大好きなんですよね。まぁ相棒見てる方はみんな好き。怖い顔で嫌味を言うけど、熱血で情に厚くて不器用で…正に愛されキャラなんです。若月にはブレイク前の田中圭。一途期準レギュラーになるかと思ったものの、人気が出過ぎて最近ご無沙汰…。クールでドライなサイバー系の典型的キャラで似合ってましたよ。

この作品みると…自分が伊丹だと(笑)うちの会社もほぼ全てがネット化されてきましたが、現場のやることは変わらない。その目的は物語と同じく変わらないからです。ただ…システム系やネット知識がないと対処できない場合が多くなってます。でも現場を知らないシステムは…現場から見ると凄まじく乖離していて…、現場にも出てこない。伊丹が怒るのが凄いわかる。若月の様に出てきてくれると分かるんですけどね…。

最近相棒ばかり見てるんですが、あまりに忙しくて、楽に見れるドラマが増えてます…。映画のみにされてる方には久々のレビューかもしれませんが、続けてますので、よろしくお願いします(^^)
滝和也

滝和也