群青

空気人形の群青のレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
3.5
こんな世界観あるのか…


ある日ラブドールに魂が宿る。

まずね、world's end girlfriendのサントラが素晴らしいですね。まさに空気人形としか言いようのないような透明感と切なさと歪さをたたえていた。サントラ即借りでしたよ。

是枝監督の作品の例に漏れずそのこの作品でも容赦のない生命の終わりというか、死生観が描かれている。
何をもって魂というんだろう。
それは求められれば得られるものだろうか。得られずして得られるのか。

実は命というものはこの空気人形のように空虚で無意味なものなのか。

単なるラブドールに何をこんな哲学的な、と感じる日でもいるかもしれないが、性と生は切っても切れない関係なので監督は至って真面目に考えているのだと思う。
最初こそ小馬鹿にした様なオープニングだが(板尾が所有者っていうのがもう小馬鹿にした感じがプンプンする笑)、それは意図した誘導尋問の様なもので、ぺ・ドゥナが演じる様になってからは世界がキラキラとしだす。本当です笑

でも命っていうのは誰かに求められて生まれることもありだろうし、そうでない偶然もある、何十億年も前にただの有機物から生命が生まれたことと一緒だ。
アメーバとラブドールを比べるレビューを書いてるのは俺だけかもしれない笑

なんにせよまたしても面白かった。
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