アルカイダの首謀者ビンラディンを追い詰める、CIA局員の奮闘を描く。
専門用語を駆使して、事実を淡々と記した、ぶ厚い報告書をめくる手が止まらない…そんな感じの鑑賞体験だった。
入念な取材を経たのであろう、事実に即した迫真の展開に眼が釘付け。160分があっという間。
『007』や『ミッション:インポッシブル』、『キングスマン』といったスパイ映画の華やかな世界とは真逆の、地味で殺伐とした現実の諜報活動をこれでもか、と見せつけられた感がある。
ただ、主役の局員を女性にした事で、殺伐とした雰囲気に一服の清涼剤というか、潤いを与えてくれていて効果的。
また、真実を突き止め部隊を指揮して作戦を遂行する彼女の姿が、この大作をまとめ上げたキャスリン・ビグロー監督に重なって見えてくる所も興味深いし、面白さが増した一因でもある。