このレビューはネタバレを含みます
「現在と過去の反復が進むべき方向を指し示す」
本作では、スンミンとソヨンの距離感が現在と過去で対照的となる様に構成されている。
酒に呑まれ現状を嘆くソヨンを現在で描けば、住みたい家の展望を楽し気に話すソヨンの過去へと続く。
新居の建設を通じて二人の距離が近づく現在の後には、先輩の介入によってすれ違う二人の過去が映される。
新居の完成後にようやく想いを交えた二人の現在は、スンミンがソヨンを拒絶する過去に接続される。
そんな中、ラストだけは過去が現在へ接続される。
空き家にソヨンがCDを置いて去る過去の後、ソヨンの新居にスンミンからCDが届けられる現在へ繋がる。
過去から現在へ。
正しい時間軸で接続される事によって初めて、過去が思い出へと変わるのである。