Kamiyo

建築学概論のKamiyoのレビュー・感想・評価

建築学概論(2012年製作の映画)
4.2
2012年”建築学概論” 監督.脚本イ・ヨンジュ

韓国で大ヒットを記録したラブストーリー
韓国映画らしからぬシンプルなラブロマンス
初恋なんていつの話?
あまりに昔過ぎて、そんなことがあったのかどうかも忘れ、人生も終盤にさしかかっている年代でも十分に楽しめます。
不器用で何回も“失敗”を重ねた、“自信と勇気”のない青年だったおじさんには、うまく伝えられない二人の思い、
特に彼の気持ちは、わかりまくりすぎて、最初から、あ、これダメだあって思いながら、ウルウルしっぱなし……で観ていました。
CDプレーヤーと韓国の名曲=展覧会の「記憶の習作」、約束した家のデザインと模型…。
予想できても、それでも泣ける「伏線」たちによって、
ラスト、過去の二人の思いやすれ違いが、みんなみんなみんな明らかになります…。涙……。

「初雪の日」。 行ってたんだよね。
行かずにはおれなかったんだよね。 涙………。
とっても素敵な秀作!に出会った気分です!

今おじさんの過去を振り返っても、“勝負”のつもりの
“デート?”の日、喫茶店での待つ。。毎回緊張?、
そしてアキレられて、ふられてばかり
”告白”すらできずに。。。。。
なんてことの繰り返しでした…。初恋です……。
今思い出しても情けない!、根性なし?な、ドジでマヌケな青年でした…。
でも、それらがあって、オジサンになった今があるんだよね。。。。心の琴線にふれまくりの、忘れらない1本

大学の“建築学概論”の授業で出会った二人、スンミン(オム・テウン)とソヨン(ハン・ガイン)。
最初こそ憧れの先輩目的で専門外の建築学を履修したソヨンだが、そこで知り合うスンミンを実は最初から意識している。
しかしその性格からか素直に気持ちを伝えることができないソヨン。一方スンミンは最初から惚れているが、奥手らしく告白などなかなかできない。

二人の距離を縮めようと告白を決意したスンミンは、
ソヨンの家の前で待っている。そこで目にしたのは、酔ったソヨンが先輩の車で送られて、
そのまま二人で家に入っていくところだった。
それから、音信不通になるスンミン。ソヨンが心配になって、待ち伏せすると、CDを突き返してくるスンミン。
もう連絡しないでくれと言われるソヨン。「もう僕の前から消えてくれ」と。
そうして、初雪の日が訪れる。空家でスンミンを待つソヨン。しかし、彼は現れなかった。
CDとプレイヤーを空家に置いて、帰るソヨン。
二人の初恋はこうして終わった。

二人の気持ちが重なるようでなかなか重ならないというもどかしさも初恋の特徴だろう。

初恋の思い出を大切にしまっておきたかった二人。
15年後の再会シーンで、「どなた様?」という挨拶は、わざととぼけたのか?それとも、初恋の人があまりにも変わっていて気づかなかったのか。
特に建築士のスンミンは同僚ウンチェとの結婚も控えている。未だに先輩に取られたかと思い悩み、心の奥底にしまっておいた初恋。そんな相手が突然目の前に・・・
忘れようとしても忘れられないソヨンの笑顔。
家を建ててほしい・・・つらいよ。

結婚は3年前にしたよ。相手は医者。とソヨンは近況報告するも、実は離婚したばかり。別れた辛さ、寂しさのためなのか、父親の病気も原因か。しかし、思い出にはけりをつけなきゃ、一生引きずってしまう。そうして回想しながら二人の想いは交錯する。
まさか逆卒業もありか?と、よからぬ方向も想像しながら、淡い想い、純情すぎたあの頃、告白さえできなかった大学時代のストーリーを楽しみました。「キスしたでしょ。私が寝てるときに。あれがファーストキスだったんだから」。人生はやり直せない。ただ、想いは大学時代へと馳せて、後悔する。多分30代での同窓会なんかは、こんなことがいっぱいあるんだろうな。

次第に過去の事実が浮き彫りになっていきそれまで隠されていた愛が見えてくるという物語はどこか岩井俊二監督の「Loveletter」を思わせる情感が漂う。最後もあの映画同様に切ないラストシーンとなる。
終わったあと、ある女子レビューが「えー、これで終わり?!」と不満そうに書いていたけど、
彼女達の年齢では当たり前の反応だと思う。
あと15年したらもう一度観て欲しいな。
君達も絶対に納得するから!
Kamiyo

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