踊る猫

凶悪の踊る猫のレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
4.3
二度目の鑑賞。最初に観た時はピエール瀧氏とリリー・フランキー氏の凶悪犯ぶりに呑み込まれてしまい、主人公の母親が要介護状態であることなどは切り捨てるべき枝葉ではないかと思って観たのだけれど、保険金殺人で老人を切り捨てている家族の選択を考えれば同じ「老人社会」をテーマとしてぶつけたいという監督の意図があったのかもしれない。このあたり確かめてみたいところだ。取材の過程がやや説明が足りないようにも思えたし(何処から尻尾を掴んだのか呑み込みにくい)、また泥酔した人間があんなにちゃんと立てるわけがないという細かいツッコミどころもあるのだけれど、俳優たちの力演に呑み込まれてしまった。死刑の是非、殺人の意味について考えさせられる極めて重い、渋い映画だと思う。
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