モクゾー

クロユリ団地のモクゾーのネタバレレビュー・内容・結末

クロユリ団地(2013年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

●心霊ドラマ≠ホラー この映画は…

…中途半端である笑

ゴーストランドの惨劇を観て、ホラー面白いな、となったノリから、他にも刺激的な作品なら良いなとjホラー鑑賞。

しかし…全く怖くないのがこの映画の一番の欠点だった。ホラー見たい人は、ドキドキ、ワーキャーしたいのである。この映画はそれに答えてくれない。

心霊が出てきたからといって必ずしもホラーではない、ということがコンセプトなのは別にありだ。仄暗い水の底からなんかは、ホラーというよりも親子の愛みたいなところがうまく描かれていたし、シックスセンスもその類か。このコンセプト自体真新しいものではないが、アリだとは思う。

しかし、いかんせんクオリティの問題である。


霊は場所ではなく人につく、というセリフまで劇中にあるが、明らかに団地という場所に縛られた物語進行。唯一、介護学校でおじいちゃんの幽霊を介護しちゃった、みたいなところ以外、狭い場所で物語は進む。
つまり画面で表現できていないのを、セリフ説明でなんとかしようとしているように感じてしまう。

この作品、全体に観客を少し信用していないように感じる…
いちいちわかりやすい演技、何かあるなという台詞回し、全部説明してくれる霊能力者…
過保護な作りのせいで、見てるこちらが考える、のめり込む、惑わされる、ということがない。

家族とのやり取り序盤にして、あー、これ家族か本人が死んでるパターンか…と思ってみたらその通りであるし、
いい霊は言葉うまく喋れず、悪い霊は流暢に喋る感じだってご都合主義である。

後半は、低予算なライティングでなんとかしようとする残念なバトルもの。しかも、ポッと出てきた成宮君が、こんな関与の仕方するかよ…そして、あんな失敗するのかよ…とずっこけるばかりで笑えてくる。

正直、いくらでも作り直す余地はあるのではなかろうか、、
子供の例が死んだ理由、かくれんぼで隠れたなら、霊は見つけて欲しいと思う動きにすべきで、今回のストーリーなら鬼ごっこの鬼でもやってた方が良かったし、成宮君はあんなほぼ他人の業者じゃなくて学校の関係者とか近い立場の人にした方が良かったし、霊は団地以外の場所でも力を発揮するべきだったし、霊能力者はよくわからないし、そもそもお経?読むのが下手で雰囲気出ないし…

もっとベタでもワッと驚かしてくれる仕掛けがあって良かった。
一番ドキドキするのが、あっちゃんが不法侵入するところくらいで、あれだって入られた側のが怖いからね。
あっちゃんが外からドアの覗き窓覗き込むシーンなんて、こっちのがホラーな映像だ。


そして、この映画に限ることではないが、やはり日本映画ってレベルがすごく下がっていないだろうか…(ちょっと昔の映画だが)
ベタっとしたテレビセットのようなライティング、特に趣向凝らされていないカメラ、ボソボソ喋る音声…
団地の街頭のチカチカ一つ取ってみても嘘くさいし、その時点でガッカリである。

また何より役者…
個人に好き嫌いは特にないが、この映画は全員演技が酷かったと思う。
私、演技してます!という感じの演技。
全体がテレビでやってたようなオムニバス型の怖い話クオリティなのである。

スタジオで見ているタレントのワイプでもあったら良かったのかもしれませんね笑


とにかく、ガッカリな作品でした。