●思いの外、アカルイ・マッチョ…
と、駄洒落てしまったが、イーストウッドの最新作。調べたら齢91歳！未だに背筋がシャンとしたかっこいいジジイである。
老齢の、いかにもなアメリカ男が、閉ざした子供と交流を重ねる…という予告編だけみてグラントリノのような作品かと思っていたが、随分と趣きが異なっていた。
老人がメキシコから友人の子供を連れてアメリカに戻る、というロードムービー。もう年老いてしまったロデオスターが、子供に"マッチョ"とは何かを伝える…という話なのだが…いかんせん、道中で大したトラブルが起きない笑
もっと盛り上げられそうな設定ではあるのに、ちょっとしたトラブルを、ドタバタ乗り越えていく…という感じで、終始ほんわかとしたムードである。
同じようなストーリーだとランボーラストブラッドが思い浮かぶ。老齢のマッチョ(文字通り)がメキシコからアメリカに少女を連れ戻しに行って大惨事になっていく…というストーリーラインはそのままなのだが、もはやイーストウッドもそこまで身体を動かせず…というところだろうか。
イーストウッドの動きや言葉を最小限に絞り、「精神性としてのマッチョさ」を寡黙に伝えていく…みたいな話が見たかったかなぁ、と思いつつ、イーストウッドの元気な姿を確認できたというだけで良しとしよう。
あと旅をする仲間に子供が連れている「マッチョ」という名前の闘鶏がいるのだが、この鶏が毛並み(羽並み？)が綺麗でよく人に懐いていてとても可愛らしい。
何か刺激を求めていくと肩透かしを食らうかもしれないが、イーストウッドと鶏(と子供)のロードムービーをのんびり見たい人にはおすすめです。
