an0nym0us

インポッシブルのan0nym0usのネタバレレビュー・内容・結末

インポッシブル(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

たとえ実話ベースで、救いのある作品だとしても…この内容は観たくない人もいるでしょう。

死者22万人、負傷者13万人…家族全員が助かったのは幸運だったとしか言いようがないですね。

被災直後の混乱は計り知れない。そんな中で、自国に帰って『日常』を取り戻せた彼等の物語では…甘党が過ぎるんじゃない?

『それでも夜は明ける』での偏向と同じものを感じてしまって、個人的には素直に『良かったね』とは思えなかった。

大切な人、家族、友人、家も何もかも…津波に飲み込まれて、戻れる日常さえ失った人だっている。続くはずだった明日を失った人もね。

でも、非情な現実はそこに立ち塞がっていて…何もかも無くした後でも、続いていく日々に立ち向かって、歩を進めていくしかない。

私が本当に心を打たれるのだとしたら…
その姿にこそ、だと思います。

実際のところ現地では、人間の『逞しさ』『生命力』に感嘆させられるぐらい、めざましい復興が起きてますしね。

私が今作で最も残念なのは、最後の最後で『対岸の火事』にしてしまっていること。

必要なのは未曾有の災害の追体験や、痛みのリアリティではなくて…人がどうやって災害後の窮状に立ち向かって、団結する事ができたのかという道標であるべきだと思います。

そのアーカイブこそが、被災地と被災者たちが私たちに与えてくれる貴重な財産で…映画は、それを世界各地に伝える為のツールにもなれる。

それを忘れずにいたいですよね。
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    an0nym0us

    好き勝手にのんびりとね 多忙のため放置気味(T-T)