カテリーナ

火車 HELPLESSのカテリーナのレビュー・感想・評価

火車 HELPLESS(2012年製作の映画)
2.5
宮部みゆき原作に惹かれて
しかも韓国映画
宮部さんの濃厚で緻密な人間ドラマにどこまで迫っているか興味津々であった

が、失敗した
名前が覚えられない
韓国名に慣れてないため
物語に追いつけなかった
原作を読んでるので展開は把握できるからと、
そこに甘えてしまった

とは言え
宮部ワールドを期待した私はことごとく裏切られた
借金の取り立ての地獄のような
日々もそこから逃れる為の儀式のような
血塗られた床やゴム手袋の演出は
確かに凄まじい 韓流らしい容赦の無い描写はここでも発揮されている

小説では陰と陽が両方描かれていた
映画では陽の部分は一切省かれている

小説では主人公の家族や友人
遅く帰り疲れた身体とこころを
癒してくれる友人の作った粗末だけどあたたかいご飯とか
子供たちの屈託のない隠し事とか
その部分を一切描かず悲惨なまま
救いのない結末へと突っ走るのだ

借金取り立て地獄から抜け出す為の選択は
やむを得ないとその女の元婚約者は
憎みながら罵りながらも
「もう偽るな 」と許す

その元婚約者の従兄弟の警察官は
まるで何かに取り憑かれたように
彼女の痕跡を必死に辿る
不幸な境遇を知れば知るほど
更にその痕跡を懸命に探す
それでも目の前の女を許せない
感情を捨て去り全ては終わったと諭す
「もう、諦めろ」
このふたりの対比

『火車』という小説の
ヒロインが身を落とした理由が
描ききれず全体にメロドラマの範疇に収まってしまった印象

追記…………………………………………
悲劇のヒロインにしては確かに痩せ細ってはいるが
顔に陰が無く やけに健康そうな様相
女はaikoに、男は山里亮太にしか
見えず 少し困った
カテリーナ

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