mingo

サラゴサの写本のmingoのレビュー・感想・評価

サラゴサの写本(1965年製作の映画)
4.1
角川シネマ新宿のポーランド映画祭2015にて鑑賞。
仕事終わりの夜にもかかわらず、コッポラスコセッシリンチらを虜にした伝説のカルト映画を観るために集まる熱気が良い。3時間という長さにもかかわらず、ここまで不思議と観れてしまう映画も珍しい。「表現」としての映画を追求したいのなら間違いなく観ずに死ねない。

松本俊夫「アートマン」や伊藤高志「spacy」などの実験映像をはじめて観たときの衝撃は計り知れなかったけど、それとは違った脚本ありきの迷宮ファンタジーとしては構成がどうなってんの?レベルで驚き。エルトポなんて比じゃないよ、ホドロフスキーじいさんとかタルベーラ、タルコフスキーとはまた違った迷宮具合。右往左往。夢の論理をそのまま視覚化したような作品。
朝目覚めるといつもの宿屋と絞首台に帰ってきてしまう。夢なのか現実なのかわからない世界の中から出られないのに恐怖というよりユーモアたっぷりに描く。同じ眼を覚ますシーンなんかはオールニードイズキルとかが想起するけど、そんなんとは一線を画した弩級のアートフィルム。

ポーランドは内戦続きの影響で世界のグラフィックデザインの中でも極めて独特のセンスを内包しているのだが、ちなみに本作ヴォイチェフイエジーハス監督の「砂時計」のポーランドポスターはグラフィックデザイン(スタロヴェイスキ作)の歴史でもかなり重要度は高い。暇があれば検索してみると良い。ポーランドポスターの魅力は奥が深い。今回ポーランド映画祭ではワイダを除くポーランド映画3本鑑賞したが、他国に類を見ないアプローチであったのは言うまでもない。特異な表現のそれは人種を超えて、言葉にせずとも良いものは良いと伝わる、と再確認した。

ヴォイニッチ手稿とかレヒニッツ写本、コデックスセラフィニアヌスが好きな人はワクワクするであろう怪作。
うちにあるコデックスの本何処にいったかな…久しぶりにページをめくってみたくなった…