踊る猫

イノセント・ガーデンの踊る猫のレビュー・感想・評価

イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)
3.4
思春期真っ盛りの女の子と母親のもとにそれまで行方不明だった叔父がやって来て波紋を呼ぶという話。人物の蒸発などミステリアスな出来事が起こるのは確かなのだけれど、それがこの叔父のせいであることなど観ていたら最初から分かるようなことなのでそれほど魅力的な謎ではない。つまりネタが割れている状態でミステリを読むような体験をさせられるのだ。だというのであればその叔父に悪魔的なカリスマ性を備えさせて惹き付けるという手段が考えられるが、叔父を演じる俳優にそこまでのスター性があるとはとても考え難い。だから、ラスト・シーン近くまでただただ退屈だった。ラスト・シーンのヒロインの変貌ぶりはその意味でこの映画の最大の見どころであると考える。谷崎潤一郎「刺青」を連想してしまった。
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