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殺人の告白のkのレビュー・感想・評価

殺人の告白(2012年製作の映画)
3.8
「22年目の告白」を鑑賞したあとでの鑑賞となってしまった。

まず、演出の違い。日本版は記者会見のシーンが印象的だったのに対して、こちらはそれほど時間を割いていない。また、本を読ませるという演出もない。この本を読ませることによって殺害の詳細が語られるのに。あとは序盤から真犯人は本当にこいつか? と疑うセリフがあったことに驚き。そして、こちらでは作中で韓国の司法制度の説明が一切ない。これはちょっと厳しい。

冒頭からいきなり犯人とのアクション。このときのカメラワークがありえないところから映してあるので恐らくこれも「トゥモローワールド」みたいに繋いでるんだろう。そして、全体的には意外にカットが細かい。サスペンスチックにゆったりとしながらもメリハリがあるのかと思えば、スパスパ切り替わるからテンポが良い。ヒューマンドラマかと思うほど顔寄りのワンショットも多め。あと、内容に関しては韓国らしく、その上スタントマン出身の監督だけあってアクション多め。「デスプルーフ」ばりのボンネットカーアクションなんか迫力満点で、これも日本映画との決定的な違い。恐ろしいまでに韓国映画は自由。

日本と韓国でどっちがいいかと言われればどっちもどっちと答えるのがやっとなほど両作品の完成度は高い。ただ、個人的にやはり韓国がやや上手。それは真犯人のキャラクター設定とラストの演出によるもの。永野みたいな真犯人はある意味あたり。視聴者が嫌悪する犯人をヴィジュアルから形成している。一方での日本版の真犯人は驚きがメイン。それと殺害方法においての伏線回収のため。そして、ラストでもう完璧に韓国。一瞬、あぁーまた韓国の十八番だよ、と思ったら、まさかのラスト。見たかったものがようやく見れた喜びが訪れた。
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