2014.2.26 TOHOCINEMAS六本木
オープンホイールレースの最高峰F1グランプリを舞台にした骨太な人間ドラマ。
全てにおいて対照的な二人の天才ドライバーの人間的な葛藤や争いを主に描く事で積み重ねられた最後に想うそれぞれの感情が美しくうつる。
このF1というスポーツの抜きつ抜かれつというカタルシスを過剰に描いてしまいそうな所だが、ロン・ハワードは互いの人間性を強調して描き、二人の長い年月の関係と成長をじっくりとみせ最後にチャンピオン同士として交わされる言葉に説得力を持たせる。
映画としての盛り上がり方としては最高であり「宿敵の存在を神の恵みだと思え。神は宿敵から学ぶんだ」に表されるライバル関係の映画としても胸アツなのである。
当時のF1は年間に25人のドライバーのうち2人は死ぬという時代。
このF1での関係性以外の生死におけるそれぞれの家族の考え方という部分も緻密に感情が重ねられて表現されより人間味溢れる作品だったのだが、均等に割りふられていたはずの二人のレーサーの物語のしめくくりは何故か一人称で語られてしまった。史実というのは解るがあまりにも大切に作られた感情の物語が無駄に締めくくられてしまったのは好きではありませんでしたね。
どちらにせよ、ギラギラした二人のギラギラした時代をきりとった映画です。
F1の轟音をぜひ劇場で体験して下さいね。
