2015.3.19 TOHOCINEMAS六本木
ホーキング博士と彼の最初の妻ジェーンの献身的な愛の物語。
筋萎縮性側索硬化症患者であり世界一有名な物理学者のホーキング博士を扱った作品でありながら彼を支える妻の苦悩を描いたこの映画は普遍的な愛を謳った映画である。
ホーキング博士が唱えた宇宙の始まりと終わりまで、時間と空間の概念がこの二人とリンクし終盤で描かれる二人の時間が逆回転で描かれる様子は胸をうつ。愛の側面には自己犠牲というものがありその果てに何が残るか誰を救えるかという究極のテーマのちらりと見えてくるのだ。ホーキングを演じたエディ・レッドメインは本作でアカデミー賞主演男優賞受賞は納得の演技であり体の動かない中での表情だけの芝居は圧巻であった。
『イミテーション・ゲーム』同様、天才を扱った史実にもとづいた物語でありながらそれを支えた妻の物語に重きをおいたこの映画はなかなか貴重であり今一度、愛というものの美しさを知ることのできる一作ですよ。
