2015.3.16 TOHOCINEMAS六本木
コンピューターの誕生に重要な功績を残したとされるアラン・チューリングの物語。天才を扱った物語に良作が多いのは何故だろう。
【fact-check】という言葉がある。直訳すると【事実確認】。史実を扱う映画にはつきまとうものでありその事実確認の羅列が続く映画も少なくはない。しかしこの映画はその事実確認の部分よりもアラン・チューリングという偉人の情熱的な人生を作り手が内面に深く入りこむことで映画を大きく飛躍させる。天才といわれる人物の奇抜な行動に魅せられ天才といわれる人物ならではの悩みを我々観客に共感させながら一人の人間の魅力を引き出す。個人的に2010年代の傑作映画『ソーシャル・ネットワーク』もこの【fact-check】と映画製作者が作り上げるフィクションの部分のバランスが保たれた傑作になっていると思っているが本作もまた上手くバランスのとれた良作でありました。
