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おんなのこきらいのHiiiraiiiのレビュー・感想・評価

おんなのこきらい(2014年製作の映画)
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2015.2.28 シネマカリテ

「MOOSIC LAB 2014」で準グランプリ、観客賞、最優秀女優賞、男優賞を受賞した作品の単独劇場作品。おんなのこってやっぱりわからない。

映画とまったく関係ないことを今回の感想ではツラツラ書くが、30歳の未婚の男子である私は母親が完全な主導権を握る家庭で生まれ育ちその街では有名な不良の姉を持つといういわば女性が強い環境で育った。それゆえ青春期にいかにも女の子らしい女の子と出会えば「このニャンニャン加減は嘘だ」と健全な男子が堕ちるであろうその魔力にもひっかからずこの歳まで来てしまった。これは自慢でもなんでもなくその素晴らしき魔力にかかってさえいればもしかしたら子を持つ既婚の男子になっていたかもしれないのだ。この映画はその魔力を最大限に駆使する女の子が主人公でありその裏側にある辛さを吐露する。最近私の敬愛する脚本家の坂元裕二作の『問題のあるレストラン』でもこのようなキャラクターの女の子が登場しこんなセリフを吐く

「女の価値は、人生でいくら奢ってもらったかで決まるから。割り勘は女の敗北。負けた女は最終的に、デニムの裾がヨレヨレの男にパチンコ代取られるか、カメラ始めてクラゲの写真撮るかどっちかだから」

「え?なんで皆さん水着着ないんですか?あたしいっつも心に水着着てますよ。おしりとか触られても全然何も言わないですよ。おしり触られても何にも感じない教習所卒業したんで。痩せろーとかヤラせろーとか言われても笑って誤魔化せる教習所も出ました。免許証お財布にパンパンです」

「どうしてしずかちゃんはいつもだめな男と偉そうな金持ちの男と暴力ふるう男とばかり仲良くしているか分かりますか?どうしていつもお風呂場覗かれてもすぐに機嫌直すか分かりますか?どうして女友達がいないか分かりますか?彼女も免許証、いっぱい持ってるんだと思います」

間違いなく女性が社会的に男よりも弱い立場であるが故に何かをまとわなければ生きずらい部分はこの世の中にある。それは自己を守るためであり男に向けるこの映画の魔力は攻撃ではなく防御なのだ。女性監督が女性を描きその魔力の効力の裏側をさらけだし強い部分と弱い部分を見せていく。私が過去に実体験したこの魔力の裏側にあるものを少し知れた気持ちになった。

モテる女の子にも立派な悩みがある。モテない事を描くより難しいこの題材の映画はなかなか興味深いものでした。
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