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悼む人のHiiiraiiiのレビュー・感想・評価

悼む人(2015年製作の映画)
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2015.3.14 渋谷TOEI

天童荒太による第140回直木賞受賞作の長編小説の映画化。監督は同名作品の舞台演出も務めた堤幸彦。

まるでピンとこなかった。

主人公の静人は不慮の事故や殺人で亡くなった人を新聞の記事などで見つけその死を【悼む】行為を毎日続けていく。悼む行為とは、死者が亡くなった場所に行き生前誰を愛し愛された事を記憶する事。そんな静人の行為は周囲からは不審がられ警察からの身分確認が家族に来たり、そのせいで妹の婚約が破談になったりもする。私にはこの部分は不明瞭でしかたない。聖者的な行為をする静人を偽善者として批判する見解はわかるがこの映画ではこの聖者的部分を引き立てる為の過剰な周囲の批判的な反応が見ていて気持ち悪い。説得力のあるこの悼む行為のきっかけを描いている分ここまで大げさな反応まで描かんでも。生みの親である母親のガンとの闘病を放ってまで悼む行為を続けるその神聖なものとも思えないしなかなか謎が残る作品であった。

行為としての神聖さはあると思うが残音が多い映画。静人以外の部分の過剰さが私にはなんだかあまり意味をなしているものとは思えなかったのだ。もっともっと悼む人を周囲に説明させずに彼が練り歩く旅の中で人が人を愛し愛される喜びと大切さを味わいたかった気がします。
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