つっつー

ハングオーバー!!! 最後の反省会のつっつーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

始まり方が予想外すぎて笑った。お前から始まるんかい!

キリン買ってるの意味分からなくて笑った。
車高注意の橋の下でキリンの首なんとかなるのかなと思ったら普通に吹っ飛んで笑った。大惨事になってて笑った。
なんとなくアランを老け顔の20代後半くらいかと思ってたから42とかめちゃくちゃ歳いってて笑った。いきなりパパ死んで笑ったしアヴェマリア上手くて笑った。スピーチも虚言過ぎて笑った。
アランの奇行に笑いまくってたけど家族と仲間達はアランの存在がアレすぎてて「笑って見ててごめん」ってなった。

設定だけは悪だったけど具体的な悪性か描写されてなかったコメディリリーフキャラの悪性が露出して、一気に現実を見せられた。前二作が全部今作への前振りかと思わせるくらい色々なものが今作に効いてて、緊張感の演出が上手すぎる。

闘鶏の為に鶏にコカインと鶏肉を与えてたという発言だけで「あ、チャウやっぱり普通の人とは倫理観違う。ヤバい人だ」ってなった。
その後もチャウがずっとヤバい。そしてアランもヤバい。
2人共「今そんな状況じゃないのに」っていう行動を自然にしてて、今作で初めて2人に壁を感じてしまった。ディーゼルの服かどうか確かめようと触ってくるアランをフィルが弾くの見て「そうするよね」とフィルに同意するのと同時に少し悲しくなった。
警報解除した後チャウが家の装飾品滅茶苦茶にしてるの見てフィルとスチュがドン引きしてる後ろで、アランが楽しそうな表情浮かべててまた悲しくなった。「フィルとスチュとアランの3人が揃うと楽しくていいな」と思ってたから、アランはこっちじゃなくてチャウ側の世界の人なんじゃないかと感じる度に悲しくなる。

そういう感情になってたから、最後にチャウとの決別を選んだアランが堪らなく格好良かった。狼軍団は保護者とアランの軍団だったけど、とうとう友人になれてよかったね。本人からしたらずっと友達だったけど。
4人で廊下を歩いていくシーンも良すぎる。
過去作フラッシュバックはずるい。ベガスのシーザーズ・パレスに帰ってきたり、トランクにチャウ詰め込んだり、昔を懐かしむ同窓会要素詰めてくれたの完結編として文句ない。最高。


正直言うとハングオーバーに求めてたものはこれじゃなかったけど、個人的には今作の裏切り方すごく良い。
過去二作と毛色が全く違ったけど間違いなくこれは『ハングオーバー』だった。
「あなたが事前に想像してた通りの物語になってる?」と問いかけてくるような緊迫感のある展開とシナリオは、過去二作で主人公達が経験した『事前に想像もしていなかったかなりやばいことに気付いたらなってた』というハングオーバーそのもので、拉致られたり裏切られたり警備射殺されたりする度に状況のヤバさを認識して『ハングオーバー』を体験した。

前二作は劇中の人物達を安全なところから緊張感も何もなく観てただけだったけど、今作は安全なところから主人公達側に無理やり引っ張られて『映画体験』できる映画ですごかった。