つっつー

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのつっつーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

今作自分の中で判断が難しい。

水を多様するから画面に力のある綺麗なシーンは多かった。ストレンジにソーと、余りに現実離れしすぎた世界が続いてたから、リアリティラインが近い海底都市はすごく良かった。
でも気持ちいい展開は全然ないし、どのキャラの言い分ももっともで社会派で戦争だし、みんな喪中で暗いし、正直に言うと全くノれない映画だった。
最後の戦艦の上でのぶつかり合いは王であるネイモア自身が敗北を告げて戦争終わったけど、相応に犠牲者出てるんだしちょっとタロカン側の兵の聞き分けよすぎじゃないかと思った。
全体的によく出来てるとは思うけど、自分にはハマらなかった。
感想終わり。
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ラストシーンまでは正直そんな感想だった。ただラストで制作側のとてつもなく大きい悲しみを再認識させられて、本作を『主演俳優チャドウィックの死』と切り離して、ただ作中のキャラクターとして『ティ・チャラの死』として観たのがミスったのかなと考えた。
いきなり最初にティ・チャラの病死と葬式やって、割と短時間でさらっと片付けたから、この時点で『ティ・チャラと言うキャラクターが死んだ』と言う目線で見た。だからみんながずっとティ・チャラ死んだの引きずって喪中の空気感出してる事にちょっとうんざりした。作中で主要キャラが死ぬってことはMCUではそこそこあって、それで傷付くけど上映時間30分以内には死を乗り越えて前を向いてる気がする。だからシュリ含め他の人達が、新たな敵(他国やタロカン)が出てきてもあまり戦力の増強、ハーブの完成と守護者どうするかに勤しんでないことに疑問で、そこでまずノれなかった。
『ワカンダの王ティ・チャラの死』であれば、次期ブラックパンサーどうする展開をもっと性急にやってたと思う。ただ今回は『ブラックパンサー役のチャドウィックの死』として制作側が扱ってたから、性急に次期ブラックパンサーを作中で模索する様を描くのは故人に対する尊敬がなさすぎるみたいな価値観があって、それで時期ブラックパンサーについての話が全く出ないまま物語が進んだのかなと妄想する。
自分は『ティ・チャラの死』として受け止めてたから「新たな敵に備えて次期ブラックパンサー早く選定しないと」って気持ちで観てたけど、制作側は『チャドウィックの死』として描いて丁寧に描くことに尽力したから、そこで自分と制作側で、物語を見る目線のズレが生じてしまい、ノることが出来なかったんじゃないかなって。


映画自体はよく出来てるけど、個人的にMCUに求めてるノリが違ったのと目線のズレがあって、そんな楽しめはしなかった。
でもラストのシュリの涙のシーンはチャドウィックのブラックパンサーを観てきた人には、絶対に観て欲しい。最初に葬式とロゴ回想をしたにも関わらず、ラストにまたこのシーンが入る意味。
キャストとスタッフ達の悲しみ苦しみが全て詰まってて、作品を作るという意味を考えさせられる。

ノれなかったし楽しめなかったけど心には深く刺さった。
そんな意味で今作は個人的に判断が難しい作品。