つっつー

バーニング 劇場版のつっつーのネタバレレビュー・内容・結末

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

普通にサスペンスなんだけど、イ・チャンドンらしくメンタル削られた…。
ベンが出てきてからきつい。生活レベルの差を見せつけられてつらい。手相占いで石を出したりするコミュ力の差を見せつけられてつらい。光が射してる人達のノリを味わわされてつらい。
ずっとつらかったから故郷に戻ってきたヘミが「今日が一番いい日」って言ってくれて少し安心した。言ったあと笑うでもなく主人公と顔を見合わせてて、その瞬間がすごく良かった。ヘミに救われた。
そしてその後ベンがサスペンスを加速させる『ビニールハウスの件』を話し始めたところでは、つい笑ってしまった。価値観とか思想が思ってたより遥かに邪悪で、邪悪すぎて笑っちゃった。

ビニールハウスを燃やすと言いつつ実際は…どうなの…?というスカし方もよかった。
「ヘミは煙のように消えた。家族に連絡しないし友達もいない。」
「煙のように」って比喩なのかどうか怪しい表現も、消えても誰からも気付かれない人ってわざわざ言ってくるのも怖い。ベンのサイコ感ぞくぞくした。
パントマイムと猫と小説家志望と井戸の件とか、ベンへ疑惑あるけど状況証拠しか出てこないのとか、何もかもハッキリしなくてモヤモヤするけど、そのモヤモヤ感が最高に楽しい映画だった。