つっつー

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのつっつーのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

公開時劇場にて鑑賞。

MCUのホラー、ゴアが新鮮だった。
ワンダに追われて扉閉めた後とか、音叉マンの口なくなるのとか、アメリカの盾反射で真っ二つとか、MCUでこういうのやるとは思ってなかったからびっくりした。MCUも長くなって子どもだったファンも成長したし、せっかくのサムライミ監督だしって感じでMCUの表現の幅広めたのかな。


普通に期待通り面白かったけど、「今作100%楽しめてないな」って消化不良感が後からじわじわ湧いてきた。
ワンダヴィジョン観てなかったから、ワンダがダークサイドに堕ちてて今作のヴィランになるのは良くも悪くも予想外だった。ストレンジとワンダの会話でワンダの絶望と願望はなんとなく察することは出来るけど、ワンダの心情までは理解できず…。当たり前だけどワンダヴィジョンで起きた状況は会話で理解できても、その状況で生じたキャラクターの心情までは理解できないから『ヴィジョンlove』から『我が子(?)love』になってるワンダのキャラにはどうしてもノり切れない。自分の知ってるワンダから変わりすぎてた。
「ワンダ出ること予告で分かってたんだからワンダヴィジョン観ろ!」と言われればその通りなんだけど、MCUはシネマティックユニバースなんだからシネマだけで完結していてほしい。「シネマティック(映画的)であってシネマじゃないから」と言われればもう何も言えないから、それは言わないでほしい。

今作はストレンジもワンダヴィジョンで起きたことを知ってたのが、完全にワンダヴィジョン未視聴者を突き放したな思った。ストレンジがワンダの変貌とそこに至った理由を知らなかったら、未視聴者もストレンジに「よく分からん気持ち分かるよ」とストレンジに寄り添えたけど、それがないから未視聴者が視点を置けるキャラがいなかった。

自分は2~3時間で起承転結がしっかりあって短い時間で情報詰めまくった物語を楽しめるから“映画”を観てるわけで、6時間以上あるテレビシリーズとなると「6時間も楽しめる!」ってより「6時間もあるんだ…」と思ってしまう。シーハルクにMs.マーベルに続々と弾が用意されてるけど、彼女らが出るネクストアベンジャーズを見たときに今回以上の「ノれなさ」を感じたらその時はMUCもう…かもしれない。


長々とテレビシリーズの続編であるという不満を書いちゃったけど、別にテレビシリーズの続編を映画でやること自体は別に良くて、テレビシリーズで思想が変わった旧キャラを映画に持ってくるのは出来ることならやめてほしい。
今作も個人的な不満は旧キャラの思想が変わってたからノれなかったことであって、旧キャラがダークサイドに堕ちてたからではない。今作がヴィジョンを取り戻す為にワンダがああなってたら、『ヴィジョンloveなワンダ』は過去作品で知ってるから、ワンダの気持ちにノれて何も問題なかった。『知らない我が子(?)loveなワンダ』じゃノれないというシンプルな話。
だから今後はシーハルクを経てハルクが大きく変わってそうで心配。

不満沢山書いちゃったけど、映画は滅茶苦茶面白い。映画を100%楽しめないと損した気分になるめんどくさい性格だから後から不満が湧いてきたけど、そんなめんどくさい性格じゃなければ今作だけで十二分に楽しめるはず。