踊る猫

言の葉の庭の踊る猫のレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
3.9
設定としてはあり得ないのだけれど、そこを辛うじて成立させているのは短編であることでそんなアラをさほど目立たせなく感じさせることに成功しているからか。とは言え『秒速5センチメートル』でも思ったことなのだけれど、雰囲気で作品を成立させているという印象は相変わらず。岩井俊二作品にも似た印象を抱いたのは私だけだろうか。映像のクオリティはバカでも分かるほど高いのだが、それ以上感動がない……登場人物たちの苦悩をもっと掘り下げて欲しかったかな、と。この映画も基本的には(多分『君の名は。』も同じだと思うんだけれど)「距離」が重要なテーマなのだろうと思う。実は近くに居たはずの人物に遠さを感じ、徐々に近づいて行くという……いやまあ恋愛ドラマなんてそんなものだと言われればそれまでだが、監督の「距離」に一貫して拘るところは興味深い。
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