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ヒットマンズ・レクイエムの一のレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
4.2
『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督長編デビュー作

ベルギーの古都ブルージェを舞台に、殺し屋たちの駆け引きを皮肉やユーモアを織り交ぜながら描いたクライムドラマ

決してドンパチだらけのアクション映画ではなく、凄まじい脚本センスに終始圧倒されっぱなしの2時間弱
ブラックコメディとしてもハイレベルだし、クライム映画としても秀でているので、とても不思議な感覚の雰囲気をたっぷりと味わうことができる
とにかくずっと面白いから、時間感覚がなくなるくらいあっという間にエンドロールを迎えてしまった

アイロニカルに描かれつつ二転三転するストーリーに、シリアスとユーモアのバランスが痺れるほどに絶妙すぎる
そしてそのタイミングまでもが洗練されており、極限まで緊迫した状態の中で放たれるクスッとした笑いの破壊力は抜群
これが日本では劇場未公開作品と言うから驚き

人間臭くて憎めない登場人物だらけで、殺し屋という仕事ならではの苦悩や葛藤、そして信念を貫く姿は思わず感情移入せざるを得ない

本作でコリン・ファレルはゴールデングローブ賞の主演男優賞受賞という功績を残しただけの素晴らしいパフォーマンスでしたが、個人的にはその相方のブレンダン・グリーソンが更に上手だったという印象で、クライマックス付近は鳥肌が立つほど圧巻の演技でした
二人の関係性も素敵で、親子のような温かみにホロリと泣かされたし😢

少し気になったのは邦題
原題は『In Bruges』
確かに全然間違いではないんだけど、これは邦題が悪いと言わざるを得ない…

兎にも角にも、『スリー・ビルボード』が超絶大好きなのになぜ今まで観てこなかったのかと激しく後悔するレベルに文句なしの傑作です
ただし際どいネタが豊富に含まれているので観る人は選ぶかな…😇

〈 Rotten Tomatoes 🍅84% 🍿87% 〉
〈 IMDb 7.9 / Metascore 67 / Letterboxd 4.0 〉

2021 自宅鑑賞 No.084
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