ショウコ

ヒットマンズ・レクイエムのショウコのレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
3.6
最後まで観ると「ラストに訪れる死ぬほどブラックなオチのためだけに構成された話」だと分かります。そこへ向けて、かつ先を読ませない様に腐心したであろう脚本の労力に感動する事ウケアイ。こういうの好きー💮

最初のルックは「ひと仕事終えた殺し屋×2がベルギーのブルージュを見て回る一風かわった観光映画」です。先輩は歴史にも造詣があるため目をキラキラさせながらベタ褒めするんだけど、後輩は全く興味が無くてディスりまくる🗡中世の雰囲気を色濃く残す魅力的な建造物を紹介してくれるだけで嬉しいのにこの可愛らしい2人のお陰でなんだか面白いものに見えてきちゃって楽しい

やがて、何故こんな所で観光してる(させられてる)のかが分かってくるわけですけど…クセの強い殺し屋たちのシュールな信念とか笑える会話、突発的暴力などが出てきて「場所がひねくれてるだけでこれはヤクザ映画なのだ」と気付きます。もの悲しいBGMとハードボイルド+地味なコメディの混在が心地良くずっと見てられる

脳天撃ち抜かれたチビっ子の画にはじまり、ダウン症の人を笑うブラックジョークに人種差別ネタが連発されるので不快に感じる人は多そうだけど全てはラストのためのデコイなんです許して🙏




なんと言っても撮影を現地でやってるのがお得で良いですよね。鐘楼のシーンやホテル周りの運河に地形など、きっと観光しながら話をアレコレ練ってたんじゃないでしょうか。オレンジがかった色味と間接照明の使い方も好印象

もし京都あたりでやったら全く違ったムードになっただろうなぁ〜なんて妄想してて思い当たった。これ北野タケシ映画だ
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