もるがな

ゼロ・グラビティのもるがなのネタバレレビュー・内容・結末

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

雰囲気と緊迫感、冒頭は百点満点の映画。薄暗い空間で見ると、宇宙の無音空間は非常に良くマッチしている。回想シーンで地球を一切映さず、ほとんど宇宙空間内で物語が進めることによって、宇宙の深遠さや無慈悲さを暴き出した点はいい。ただ無重力であるはずなのに謎重力とでもいうべき少し怪しいシーンがあったのは残念。演出なのであろうが、やや恐怖感が損なわれた気がする。

原題は『Gravity』で、邦題と少しニュアンスが違うため引っかかる人はいるかもしれない。ただ、『ゼロ・グラビティ』=無重力を期待して観た後、最後のエンドクレジットで出てくる『Gravity』の文字で重力というシンプルなテーマを強く意識するという流れは、不可抗力とはいえ演出と思えばそう悪くは感じない。『ゼロ・グラビティ』は体験的な意味合いを総括した邦題で『Gravity』は内面的なテーマを強く意識した原題なのだろう。まあ後者のほうが美しくて映画としてのまとまりはいいと思う。
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