Azuという名のブシェミ夫人

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

3.6
母親同士が病院の隣り合ったベッドで一緒に出産を迎え、それからずっと一緒に育ってきたジンジャーとローザ。
オープニングからじゃれあう二人の少女がとても微笑ましく美しい。

ある刹那持ち合わせる少女特有の美しさ。
この可憐さはそれだけで正義だなとか思ってしまう。
と同時になんて罪深い。

10代のひととき。
この世界で自分はなんてちっぽけで無意味なんだろう…と悲嘆する。
いや、もしかしたらまだ“始まっていないだけ”で、自分は特別な存在なのではないか…と期待する。
そんな考えが交互に、瞬時に入れ替わったりする。
不安定で、でも“今”が世界の全てだと錯覚してる。

ジンジャーが守りたかった“平和な世界”は、まだ苦悩したり、葛藤したりしなくても良かった頃の無垢な自分だったのかな。
でも大丈夫だよジンジャー。
傷ついたけど、何も失ったりはしていないよ。
後になればちゃんと分かると思うから。


ベスト・オブ・クズをあげたい位、久々に本当に頭にくる男を見た。
ある意味すごい。

それと、エル・ファニングが素敵過ぎて大人にならないで欲しくなる。