イライライジャ

オスロ、8月31日のイライライジャのレビュー・感想・評価

オスロ、8月31日(2011年製作の映画)
3.0
ルイ・マルの『鬼火』と同じ原作をヨアキム・トリアーが現代的に描く。そちらは未見。麻薬更生施設で過ごす34歳男。プログラム終了目前で就職のために外を自由に行動する様を淡々と写し出す。
冒頭の自殺未遂が彼の心情の全てを物語る。
人生に希望も何もない男が、面接しても上手くいくわけ無く、友人と話したりパーティーに参加しても空虚でしかない。人と関われば関わるほど人生を諦めていく。
麻薬から抜け出したとはいえ、空白の時間は人生の妨げになり、社会復帰の厳しさを痛感する。そもそも彼自身が己に何の期待もしていないため、例え手を差し伸べられたとしても握り返せない。自分の時間だけが止まり世界に取り残されたかのようなカットの数々が印象に残る。
しかし淡々としすぎて退屈。冷めてる人間からしたら周りが全て退屈に感じるから、そんなツマラン日常を疑似体験してるような気分。
(どうでもいいが、タイトルに合わせて8月31日から配信していた。)