劇場版『ポケットモンスター』シリーズ16作目
大都会のニュートークシティにやって来たサトシたち。そんな彼らの前に、突然、人間が太古の化石から創り出したポケモン・ゲノセクトが現れ、突然攻撃を仕掛けてくる。サトシたちがピンチに陥ったその瞬間、伝説のポケモン・ミュウツーが出現し、ゲノセクトの暴走を止めるため戦いを始めていく物語。
3億年前の古代に生息していた化石からプラズマ団の人間の手によって復元させられ、武器も勝手に装備され改造されたポケモン・ゲノセクトが都会の街で大騒動を起こしていく。
サトシたちはニュートークシティで、一般公開前のポケモン移住施設である「ポケモンヒルズ」にスタッフのエリックの計らいで特別に見学させてもらっていた。その後、花壇の庭でゲノセクトと出会い心を通わせるが、ゲノセクトのボスである赤ゲノセクトの襲撃を受けミュウツーに助けられる。プラズマ団から逃げ出し、人間に強い憎しみを抱き、3億年前の住処に帰るもそこは人間によって開発され元の場所とは別世界になっていた。さらに怒りを募らせたゲノセクトはポケモンヒルズを自分たちの住処にしようと暴走を始める。果たして、ミュウツーはゲノセクトを説得し、街を救うことができるのかというお話。
ゲノセクトの造形はあまり古代の化石から蘇らせたようには見えないデザイン。見た目は正直可愛くは無いが、作中で登場するサトシに懐いたゲノセクトの性格は良い奴で愛着が湧くほど可愛い。幻のポケモンにしてはカッコよくも可愛くもない微妙な立ち位置。
サトシが出会ってすぐのゲノセクトを『Back To The Future』のホバーボードのように乗り物にしていて笑った🤣
ゲノセクトとミュウツーの戦いがメインで描かれるが、タイトルの名のとおり神速でぶつかり合うゲノセクトとミュウツーの赤と青の閃光のような神速バトルの映像は、ついていけない速さを感じる美しさ!
公開当時はXY発売前でまだメガシンカが登場していない段階なのに、ミュウツーを先に映画でメガシンカさせる見せ方は面白い。タイトルの覚醒と掛けてるのがまたいい。
2種類あるミュウツーのメガシンカ先なのに、カッコよくないメガミュウツーYの方を登場させるのは謎すぎる。元々のミュウツーのビジュアルに近いメガミュウツーXだと覚醒した感じがないからなのだろうか。
全体的にゲノセクトとミュウツーの神速バトル以外あまり魅力的な場面がなかった印象。それでいて、宇宙にまでゲノセクトを連れて行ってあっさり和解したのが腑に落ちなかった。
ポケモンヒルズで出火した時に、ポケモンたちが協力して消火活動をしている姿は良かった。特にオーダイルの行動は後にゲノセクトの心情を変える大きな活躍をしたと思う。
サトシがゲノセクトたちの新しい居場所を見つけてくれるのはとても素敵。
ゲノセクトとミュウツーが同じように人間に造られ、人間に恨みを持つもの同士という構図は好き。他者と共存していることを知ったミュウツーと、自分たちが良ければそれでいいという自分たちファーストのゲノセクト。ミュウツーは昔の自分を見ているような感覚でゲノセクトを救おうとしたのが味わい深い。
ミュウツーの声優が女性に変わってたのは凄く違和感がある。どうしてミュウツーのことをサトシが知らないのかと思ったら、『ミュウツーの逆襲』で記憶消されてるからか。
やっぱりベストウィッシュシリーズの作品はイマイチだ!