ふしみあい

死霊館のふしみあいのレビュー・感想・評価

死霊館(2013年製作の映画)
3.7
冒頭のアナベル人形からしてめっちゃ怖い。後々伏線としてこのアナベルが使われるんだけどそのシーンも死ぬほど怖い。

ドアがひとりでに開く、軋む、椅子が揺れる、物が倒れる…そういったオーソドックスな手法でじわじわと恐怖感を高めていく。
露骨に怖いシーンは逆にそこまでないのかもしれない。そこに至るまでの小さな積み重ねがめちゃめちゃうまくて、映像と音で観客に訴えて来る。

後半息つく暇もない怒涛のエクソシズム!
体が吹っ飛び、血は吹き出、まさにカオス!!!
お母さんの叫び声は流石に笑った。恐怖と笑いは裏表。あと椅子が浮くのも笑ってしまった。やり過ぎかもしれないけどエクソシストでも浮いてたもんね…クローゼット上のおばあちゃん飛びかかり方がいかにもで可愛い。

実際に家丸ごとセットが作られたらしく、計算され尽くした廊下の長さが非常に効果的。カメラワークが秀逸で上下にグルンと一回転するショットに見惚れた。

ホラーだけど登場人物みんな理にかなった動きするし、なによりウォーレン夫妻の有能さが格好いい。夫妻と悪魔に取り憑かれた家族との絆の描き方もうまくて、最後は少しほろっとさせられるぐらいだった。
ただただ特殊メイクを施した悪魔が画面に出て来るのではなく、人間の心の動きの機微や家族愛や恐怖の感じ方が丁寧に描かれ、すごく面白かった。

恐怖の演出がベタだけどほんとに怖くてすごい…逆に劇場では見れない一本…