牛猫

日本のこわい夜の牛猫のレビュー・感想・評価

日本のこわい夜(2004年製作の映画)
2.8
Jホラー全盛の時代に気鋭の監督たちが手掛けたオムニバスホラー。

「感染」「予言」のプロモーションも兼ねた特別番組として放送されていた全5話からなるオムニバスホラー。
オムニバスに掛かっているのか、深夜のバスの車内からストーリーテラーの白石佳代子が怖い話をしていくという流れ。この白石佳代子の語り口が怖くて不気味で素晴らしい。世にもシリーズのタモリにも引けを取らないハマりっぷり。

肝心の中身の方はどれも個性的で中々面白かったけど、ホラーということで観ると「くも女」と「すきま」が抜きん出ている。
前者はくも女そのものの造形とかよりも深浦加奈子の怪演が光りまくり。夕日が差し込むマンションの一室で追い詰められる絶望感がたまらない。
後者は心のどこかにある隙間に対する恐怖心を掻き立てられる。この話を観てからしばらくは隙間が気になって仕方なかった。

最後の「予感」も香川照之の演技が上手くて引き込まれた。「感染」に繋がるような終わり方も心憎い演出。

これからの季節にぴったりの一作。
牛猫

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