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ファントム 開戦前夜のtorakoaのレビュー・感想・評価

ファントム 開戦前夜(2012年製作の映画)
3.9
冷戦下、旧ソ連。時折フラッシュバックする痛みを伴う過去を持つ老艦長が、中国に売却予定の老朽艦最後の航海を任される。艦長にすら詳細は明かされない何かの試験運用を兼ねており、その極秘任務のため乗り込んできた技術者の要求で不穏な空気が立ちこめる。といった話。

ハズレなしと云われる潜水艦ものでエド・ハリス主演。魅力的すぎる組み合わせだけど評価あんまりよくなさげだしこのところハズレ続きだしなーと後回しにしてた作品。

主にアメリカ人による全編英語の旧ソ連潜水艦事故を基にした話、馴染みのない乗員が少数、核戦争の可能性。という点は、この前に観た『K-19』と同じ。意図が読めないまま従わされるとこもか。
共通点は多いが基の事件から異なる別物。

前半は静かなる水面下での丁々発止、て感じの渋いドラマ。『K-19』がアレだったので、艦長が副艦長ほか乗組員達と信頼関係築けてる感じにホッとし、心穏やかにハラハラできた。
中盤は頭脳戦て感じと連携で暫しわくわくしたし、私が潜水艦ものに期待してるのはこういうのなんだな、最近観た潜水艦もののコレジャナイ感はそこだったか、と思った。

フラッシュバックはちょっとやりすぎに思うし序盤のあれは説明なしかとか終盤に気になるものが色々あったりしたが、ご都合感やハリウッド臭は薄めだったように思う。

音楽も自己主張控えめかつ音量も心得てる感じで邪魔臭くなくてよかった。効果音みたいな音で馴染んでる感じだったし。

BD購入したが特典映像の、基になった事故の話はそこからよくまああれだけ話広げて構築したな、て感じで興味深かった。
潜水艦内はセットではなく全て潜水艦で撮影したそうでびっくり。
監督がデイヴィッド・ドゥカヴニーさんを褒めてる内容が……ちょっとー監督しっかりしてー。

エド・ハリス、頭身バランスいいイケおじ(い)でコート姿カッコいい。お帽子もお似合いで。
瞬時に判断し適宜テキパキ指示してく艦長痺れる。意見を却下した後に指揮権渡すとことか、副艦長への言外の信頼表現も痺れた。

やたら色っぽい目の副艦長の人憶えがあるぞと思ったら『薔薇の眠り』でステランと対になってた人か。ウィリアム・フィクナーさんφ(.. ) 杉良太郎の流し目はわからないが彼の流し目ならやられそう。天野喜孝画っぽい雰囲気ある顔立ちだしな。ちょっとおっかない色気。

対立する人は慇懃無礼ぽい感じとかのっけから不穏なものを惜しみなく出してて何かちょっと面白かった。秘密なこと以外はオープンなのか。
ここらへんは何か007とかみたいな感じだったかな。
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