ゲイリーゲイリー

her/世界でひとつの彼女のゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
3.0
「好き」や「愛」という普遍的な感情を画期的な手法で描いた作品。

そしてそれらの感情がたとえ他者から理解されなくとも、自分自身の気持ちに正直になる事の重要性をも描いていた。

また、主人公のセオドアが徐々に孤独ではなくなっていく描写が良かった。
周囲に人が増えたわけではなく、むしろメンバーは変わっていない。
にも関わらず孤独感が薄れていくのを見て、孤独とは物理的な一人ぼっちの状態だけを指すのではなく、きちんと人と向き合えているかどうかが大事なのだと認識を改めさせられた。

主人公の元妻キャサリンがセオドアとサマンサの関係性に理解を示さない描写や、近未来を彷彿させる現代とは違ったファッションや色使いなど細かい描写などがとてもリアルに感じた。

手紙の代筆を仕事とするセオドアが最後に自らの手紙を書くシーンがとても良かった。
過去とサマンサとの決別、そして自分自身の選択で新たなる人生へと歩み出したことを表しており、非常に素晴らしいラストシーンだった。

(ちなみに個人的に最も好きなキャラクターはゲームに登場したエイリアン・チャイルドです。)