ひろぽん

インターンシップのひろぽんのレビュー・感想・評価

インターンシップ(2013年製作の映画)
4.1
デジタル化の波で勤務先が倒産し、営業トークはピカイチの失業した2人の中年セールスマン。路頭に迷った彼らは、Googleによるインターンシップ募集を知り参加する。最新の知識に乏しい彼らは辛うじて面接を突破するものの、周りは天才学生で溢れていた。それでも彼らは、入社を目指して難題に挑んでいく。果たしてGoogleに入社することができるのかという物語。


勤務先が倒産した2人のセールスマンのニックとビリー。失業してしまった2人だが、ビリーの誘いにより通信制の大学に急遽入学し、Googleへのインターンシップを申し込むことに。人生の再起を図る中年セールスマンの奮闘を描いたお話。

インターンシップへの参加が何とか決まるも、周囲には優秀なエリート学生たちばかり。ITに疎いアナログ人間の2人はついて行くだけでもやっとの毎日。そんな中、インターン生だけでチームを組み、与えられた課題を解決し競い合って優勝したチームだけが入社できるというチーム戦が始まる…

チームを組む段階でも中年おじさん2人は嫌煙され、誰からも誘われず、落ちこぼれ達でチームを結成していく。果たして個性的なメンバーで優勝を勝ち取ることができるのかという入社を掛けた壮絶な争いが繰り広げられていく。


人生経験豊かでコミュニケーション能力に長けた対人スキルを武器に戦っていくニックとビリーのコンビが最高に面白い。IT知識が全くないのにも関わらず、「行動力」と過去の「経験」を最大限生かしており、目の前のチャンスを絶対に掴みに行こうとする姿勢がとても好感を持てる。

リストラされ家を差し押さえられようと、恋愛が上手くいかなかろうと、若者たちに虐げられようと、映画ネタや時代についていけなかろうが、どんなにつまずいても七転び八起きで、諦めずに行動し続ける2人の勇士には勇気とパワーを貰える気がする。

インターンシップは、講座、チームスポーツ(クィディッチ)、アプリ開発、カスタマーサポートの電話対応、営業、と仕事をする上で必要になる基礎的なものが中心で行われる。

それぞれの課題で得意不得意あるものをチームで助け合いながら乗り越えていく王道の展開がとても熱かった。

どれだけ失敗や挫折をしようとも、チャレンジし続ける事の大切さ、1人の実力よりも仲間との協力し行動していく事の大切さを学べた気がする。

『ハリー・ポッター』『Xメン』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フラッシュダンス』etc.....
映画の小ネタが入っている所も、知っているとより楽しめる。

ストリップバーでハメ外して飲みまくって暴れたり、マザコンのサントスがハンドドライヤーで股間を乾かしてるシーンは面白すぎて笑いが止まらなかった。
酔った時に好きな人にメールする前に自分が正気なのか確かめるクイズアプリっていう絶妙な発想が面白い。

アプリ開発で行き詰まった時に息抜きでそこからインスピレーションを受けたり、皆で酔いながら橋の上で綺麗な景色を眺めながら語り合うのは青春で羨ましくなった。

飲食無料のカフェ、お昼寝ルーム、階段代わりの室内滑り台、思い立ったらアイディアを書ける透明の壁ボードetc.....
Googleの本社には型にとらわれない社風や手厚い福利厚生などが、とても充実していてここで働いてみたいなと思わせるような空間が素敵だった。

Google全面協力の作品として、インターネットに固執せず「人」という存在を何よりも大切にしているという事が伝わってきた。昔ながらのやり方も最新のやり方も、何でも取り入れていくクリエイティブなスタイルが最高。

どんなことにも変化を恐れず向き合っていきたいと思わせてくれる作品。下ネタ多めのコメディで、笑える場面もグッと胸が熱くなるような言葉が出てくる場面もあって、好みの作品で面白かった。観終えた後に前向きな気持ちになれる。
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