DRY

インターステラーのDRYのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.7
環境破壊により人類滅亡へのカウントダウンが迫る中、愛する家族の未来のため史上最大のミッションに挑む父マーフと娘クーパーの親子の絆を描いたSF大作。
監督はクリストファー・ノーラン。

『インセプション』『プレステージ』に比べるとノーラン映画の中では分かりやすい内容だと感じた。ファンタジー的要素が多いが、かなり理屈的な作品なのでSFに関する知識があれば細かい専門用語もある程度理解できると思う。

この映画はSF的要素と作品の根底にあるテーマ「家族愛」を上手く繋げていて、特に時間の歪みによって23年経ってしまったあとのビデオのシーンは時間の遅れを視覚的に感じさせるので非常に切ないものとなっている。また、終盤のマーフがクーパーから送られるモールス信号に気付くシーンは親子の深い絆を感じることが出来る。

ワームホール、カーブラックホールの描写は正確性を追求したCGが使われ、そのリアリティの高さと映像の美しさに思わず見入ってしまう。

シーンの随所にSF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』へのオマージュが感じられた。マーフと再会するラストのシーンは『2001年宇宙の旅』のラストで主人公が命の最後を見つめる場面を連想させる。
ロボットTARSのデザインもモノリスに似ている。
実物大の模型などを使った60年代のアナログ的な撮影方法が多いのもオマージュの一つかもしれない。
物語の結末を見るに『2001年宇宙の旅』のテーマ「人類の進化」に対するノーランなりの解答がこの映画に含まれているような気がした。
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