2014.10.8 ユーロスペース
女優であり映画監督のサラ・ポーリーが自らの出生をと亡き母の恋を巡る記録映画。
幼少時から父親と似てないと言われたサラ・ポーリーが父親、兄弟そして両親の知人に対しインタビューを重ね実の父親にたどり着く。各インタビューと父の趣味として撮られた幼少時の8mmフィルムの映像で構成されて行くのだがその8mmフィルムの素材量の豊富さに驚く。しかしこれにはエンドロールにからくりが隠されていた。そのからくりを踏まえるとこの記録映画というノンフィクション性をまとった映画そのものすら疑わずにはいられなかった。
面白い試みに溢れた作品でありながら監督とインタビュー対象の距離感が近い事もあり真実に近づく記録映画としてはハッキリとしていておもしろい。ノンフィクションとフィクションを織り交ぜながら一本の映画のクオリティを高め人間の心の中をのぞいたサラ・ポーリーはなかなかの策士だなぁと感じました。
実の父ではなく育ての父の人間力の魅力もあり人間をみる面白さも感じれる作品を皆様もぜひ劇場で。
