滝和也

クラッシュの滝和也のレビュー・感想・評価

クラッシュ(1996年製作の映画)
3.8
さて…深淵なるエロス
の世界にようこそ…。

クローネンバーグが
描くディープかつ
デカダンシズム
溢れ出す作品…。

「クラッシュ」

イースタンプロミスを見て、高まりましたクローネンバーグ熱。クローネンバーグらしいディープな作品をと借りてきましたが…。

ディープ過ぎる!

フェティシズムに酔いしれるとはこの事…。カークラッシュ、交通事故に性的興奮を得てしまう人々を描く作品とは…。交通事故を起こした主人公、相手の助手席に乗っていた女性の怪我をした姿、チラリと見えた胸に興奮を覚えた。その女性も事故に興奮を覚えるものであり、同好の士が集まる場所へ誘われ、彼のディープな性癖が生み出されていく…。

深すぎる嗜好とめくるめくエロスが融合し、退廃的な美(デカダンシズム)が生み出されます…。

ってついてけるか〜!わかる訳もなく…

だが眼前に起る不謹慎かつ排他的な世界に目を奪われる以外になく、夜間撮影を中心とした青き世界に淫靡なる魂が宿っているのは分かります。

また主人公ジェームスと妻も愛はあるのだが、倦怠し他者とのメイクラブをした後でなければお互いを求め会えないディープぶりなため、更なる深みに沈んでいく…。

余りのディープなる愛の形…人それを

変態!

と言う…。

車通しの激突が肉体のぶつかり合うアレに相当するのか、はたまた恐怖が安心を求め、人肌の暖かさを呼び快楽に至るのか…。車と言う狭い空間に充満する人の交わり合いが精神と肉体を高みに至らせるのか…クローネンバーグの描くエロスなる空間は特殊な歪みを持って精神を歪ませます…。

因みにストレートなエロ表現が意外に歪んだ性を薄めているのかもしれません。クローネンバーグの執着はもっと歪んでいる気もします…。

ホリー・ハンター、デボラ・カーラアンガー、ロザンナ・アークウェットは綺麗ですが…深すぎる性癖に恐怖が先立つ気もします…。

あまりエロス系の作品レビューは得意じゃないんですが…
やっぱり露骨になっちゃいました…(笑)スイマセンm(_ _;)m

カンヌ国際映画祭で賞を取った時は、新しい!と不謹慎だ!の怒号がとびかったんだろうな…。と思う問題作。頭は柔らかくして見てください(^^)
滝和也

滝和也