滝和也

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャーの滝和也のレビュー・感想・評価

4.4
あの日全てが
終わったはずだった。
友の死を乗り越え、
北極の海へと葬った
はずだった…

だが…その不死の龍は
再び…頭をもたげる…。

「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」

壮大なかつ驚愕のちゃぶ台返し。正に舞台をひっくり返すようなストーリーに感嘆の声すら初見の劇場ではあげられませんでしたよ。アベンジャーズ迄のストーリーを繋いできた組織自体をひっくり返す大胆不敵なストーリー。よもやそう来るかと。何よりこのプロットが素晴らしい。故にサスペンスとしての面白さが倍増しています。単純な英雄譚だったストーリーに深みが増す展開から更にキャプテン・アメリカのシリーズの真の柱が見えてきます。

父母、そして竹馬の友を失い、周りにいた全ての人を失いし、孤独な英雄、スティーブ・ロジャース。ただ一人愛した女性も今まさに息を引き取らんとしている中、戦う意義に迷い、生きる意味を見失う…。そんな彼の再生のストーリーであると言っても良いでしょう。

そして蘇る敵、ヒドラ。最愛の友、バッキー、嘗てのハウリングコマンドーはウィンター・ソルジャーとして彼の前に立ち塞がる…。戦友と思った仲間、全てに裏切られた挙げ句に…。

キャプテンには孤独の影が付き纏い、悲しみを背負うヒーローとして、更に一皮むけるのが今作であり、そのカタルシス故にヒーロー性に厚みを増し、そのカッコ良さが爆発しますね。

そして今作の芯が、友であるならば、エイジオブウルトロンは家族。その重さが同列であり、孤独なキャプテンを際立たせた故に、シビルウォーの悲劇性がより極まる訳です。

また演出も大胆不敵。ラストバトルのヘリキャリアも壮大なちゃぶ台返し。前作アベンジャーズのあれは何だったのと言わんばかりの大胆さ。凄まじいCGです。またアクションは全て緻密に計算された体術、ガンアクションをメインとした肉弾戦。超人兵士であるキャプテンの良さを際立たせています。人間の能力の限界値であるキャプテンらしさがよく出ていますし、万能でない故に、展開がより、スリリングになっています。

故にただのヒーローものでなく、スリルとサスペンスを加えた正統派アクションとなり、他作に比べ、頭一つ抜けているんだと思います(^^)

悪を倒すべく、友を思い走るキャップに寄り添う新しい友人、ファルコン。さりげない出会いから、戦友となる、彼の存在も嘗ての友バッキーと対比される様で存在感があります。キャップの好青年ぶりも見えやすいですし(^^)

私の好きなシーンはトリスケンでのキャップのシールド職員たちへの放送での語りかけですね。あれは公明正大であり、正義を貫くキャップのキャラを見事に表していましたから。

また今作では、フューリー、ナターシャも主役クラスですし、そのキャラを存分に活かした演出が続出するのも、楽しめる要因ですね。キャップにとっては、出来の悪い父としっかりモノのヤンチャな姉みたいですが…(笑)

MCUのアベンジャーズ以外の単体作品としては、今作が私の中では最高傑作ですね。シビルウォー、キャプテン・アメリカ3への見事なブリッジであり、バッキーとの物語がキャップのストーリーの芯であると知らしめた今作。他のキャラの単体作品はまだまだ作られますが、果たしてこれを超える作品がいつか来るのでしょうか。こちらも楽しみです(^^)


以下以前の拙いレビューです。いいねを頂いた13名の方々、ありがとうございました(^^)

ルッソ兄弟すごい!前作は前作でレトロ感があり、良かったのですが、緊迫感のあるサスペンスに大興奮でした。それにしても、キャプテンアメリカはでるたびに良くなっていきますね。
滝和也

滝和也