Kaoru

ミケランジェロ・プロジェクトのKaoruのレビュー・感想・評価

4.1
欧州に行くと大昔の人が創造したものにたっくさん出会えるけれど、何がすごいって、2000年前に作った美術芸術を今現代に生きているアタシたちが見ても美しいと思うことじゃないかしら。これってちょっとスゴイこと。だって、2000年もの間「美」という価値観が変わってないってことでしょう。今日作られたアートが、今現在美しいと思っても、この先2000年後にも残っているかどうかが分からない限り、過去の作品を超えられるかどうかの答え合わせはできない。イタリアに行ってそんなコトを思いながら美術館にいると急に目の前にある石の塊たちが、ものすんごい尊いものに思えてくるから不思議だわ。

過去の美術品をアタシたちが目にできるのは、守ってきた人たちがいるから。前置きが長くなったけれど、この映画は命をかけて、そして多くのものを失いながらも、大切に宝を守ってきた実在の人たちを描いた作品。

終戦間近の時代、主役は戦争をけしかけた側でなく、負けた側でなく、その裏側で地味に、だけれどとても重要なことをしてきた人たちのお話。映画にならなかったら遠く離れたアタシたち日本人なんて知る由もなかった人たちでしょう。これだから映画はステキだと思っちゃう。

みなさんおっしゃる通り、キャストが豪華。だけれども史実のほうも負けずに光っていたわ。

民間人が、そして仲間たちが戦争で死んでる中に、奪われた美術品を取り返そう!なんて、そりゃ誰が見たって「そんなものより人の命のほうが大切」ってなるわよね。 でも美術品ってのは、過去の偉人の念であり命そのものだとしたら彼らのしたことは本当に素晴らしいことだと思う。

観終わった後には美術館にでも足を運びたくなるような、そんな作品です。