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インセプションのtetsuのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
5.0
映画研究部の活動の一環として、
大学内にある立派なホールを貸し切って大画面で鑑賞!!

他人の夢に入り込み、アイデアを盗むことを仕事としている主人公。
彼は、ある日、ターゲットであった男にスカウトされ、協力することになるのだが、その仕事はアイデアを盗むことではなく、アイデアを"植えつけること(=inception)"だった...。

これは、最高の観賞体験でした!!
大画面で改めて「インセプション」を観れたことはもちろんですが、それよりも、キリアン(・マーフィー)ファンの友達が彼の登場シーンで飲んでいた水を噴き出したりw、難しい映画が苦手な友達が映画の途中で実際に夢の中に入っちゃったりww、"虚無*"というワードが出てきた瞬間、笑いのツボにはまる友達がいたりwww、それはそれは楽しいひとときでした...。笑笑

*虚無・・・映画研究部で過去に作られた伝説のカルト作(個人の見解www)

いやはや、やはり、改めて観ても名作は名作ですね。
序盤、主人公が仲間を集めていくシーンは、「アベンジャーズ」のようなワクワク感がありましたし、重力を無視した夢の世界は、後にマーベルの「ドクター・ストレンジ」がモロパクリするだけあってw素晴らしかったです!

作中、主人公達は「自分の道を進め!」というアイデアを社長の跡取り息子に植え付けようとするわけですが、それは、ある"喪失"から立ち直ることができない主人公自身にも言い聞かせているようで、興味深かったです。
誰しも、なんらかの"喪失"を経験し、そこから立ち直ることがあると思うので、その点、この映画が描いているメッセージは意外と万人受けするし、多くの人に力を与えてくれると思いました!


ここからネタバレ。


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この物語を語る上で、結末の解釈は欠かせないでしょう。
(劇場で観賞した際は、前に座っていたおじさんが、ラストシーンに納得いかないのか、首をひねっていましたがw)

果たして、この物語は、
夢だったのか?現実だったのか?

僕はラストで今まで明らかにならなかった主人公の子供たちの顔が写っていたので現実派です!笑笑

ところで、
僕はこの作品自体が、ノーラン監督による大いなるアイデアの植えつけ(=inception)だったと思っています。

そのアイデアとは
"今生きている世界が夢なのではないのか?"
ということ。

物語が終わった後、
エンドロールの終盤で、僕は鳥肌がたちました。
そう、劇中、夢から覚める際に使われていた
エディットピアフさんの
「Non, Je Ne Regrette Rien」
が流れるのです。

映画の中で、主人公達はターゲットに対して、何重にもアイデアを刷り込ませようとしますが、それは僕たち、観客に対しても行われていたのではないでしょうか?

冒頭、夢から目覚めた先が実は夢の中だったというシーンで、何が夢で現実か?
を考えさせる。

ラストシーンでこの物語自体が現実だったのか?夢だったのか?
を考えさせる。

エンドロールでキックの時の音が流れ、観客が今いる世界が現実なのか?夢なのか?
を考えさせる。

半ば、強引な解釈かもしれませんがw、このように潜在意識を揺らがせるような手法で、監督自体が哲学的な問いを上手く描ききったところが、この作品の名作たる所以だと思いました。

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というわけで、もしかすると、夢と現実との境界線は、とてつもなく曖昧なのかもしれませんね。

夢と現実を見極めるアイテムは現実には存在しないですし...。

友達と一緒に観賞して、ラストの解釈を語り合いたい、そんな名作でした!

そんなこんなで、みなさん、今日もいい夢を、
おやすみなさいwww














あれ、なんだか、
頭にエディット・ピアフさんの曲が聞こえてくるような...。
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