みほみほ

FLU 運命の36時間のみほみほのレビュー・感想・評価

FLU 運命の36時間(2013年製作の映画)
3.8
😷2021年76本目😷(字幕)

他のパンデミック系映画と比較すると、ドラマが濃くてとても観やすい。冒頭のイネへのイメージが良くないから、最初はそんな女に惚れちゃう救命士の気持ちに入り込めなかったけど、パンデミックが始まってからのスピード感は結構面白い。そして子役のミルが超可愛い。

医療従事者として、患者と接する際にマスクしてないのは違和感しかないけど、日本映画の「感染列島」なんかもそうだったし、そんなもんなのかな…?映画だからか??

まだまだコロナ禍前の作品だけど、日本もここまでにはならなかったとは言え、デマの拡散やらパニックじみた買い占めなどもあったし、ここまで致死率と感染力の高いウイルスが広まったら、どうなるかな…って感じだし。こんな事がないように祈るしかない。(当時観てたら現実味もなかっただろうけど、コロナで世界中が不安定な今観るとなかなか面白いもんだ。)

人間の身勝手さ、恐ろしさが詰まっていて、色々考えさせられた。結果的に良かったものの…感染を隠すという行為と、自分の子の為に採血しようとするイネ。全般的にイネは身勝手だけど、自分も同じ立場で母親で、政府の動向が少し見えていたら…簡単に子供を差し出せるだろうか?いや無理だ。だからこそ、どれだけの人がイネの行動を批判できるのかな…という難しい感情も持った。

どうせ死ぬからと、生きたままの人を焼くのはもってのほかで…残虐極まりない行為なんだけど、これ普段家畜に用いている方法だよね。そう思うとやっぱり人間は、自分の身に降りかかると残酷を体感するけれど、実際家畜にはそんな行為が普通にまかり通っているし、そこに感情論をぶつける人への答えが、ウイルスを封じ込める為に仕方ない事なんだって感じだったりする。これが人間界でもパニック下においては起こってしまうわけで、そもそも人間の本性が出るのがパンデミックなんだなと言う事を思い知らされる。

人間か家畜かでこんなにも感じ方が変わってしまう事が一番怖いのではないかと思う。色々な映画の見過ぎかもしれないけど、自分達が下等生物扱いされる生物に支配されたら、一体どうなるんだろうね…怖いけど、普段やってる事のツケはいつか回ってきてしまうようが気がしなくもないから恐ろしい。

ちょっとありえない事の連続だったりするけど、ストーリーがしっかりしてたので楽しめました。韓国の子役はやっぱり良いな〜🇰🇷

韓国には大統領と総理が存在しているという事を知り、有事の際は動きづらいだろうな…と感じた。アメリカもなかなかウザい立ち位置で出てきたけど、有り得そう…なんて思ってしまった。

今作のユ・ヘジンはうるさかったし、マ・ドンソクも嫌な役柄だったけど、二人共出ていて嬉しかった。
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