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それでも夜は明けるのtjZeroのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.1
ヴァイオリン奏者のソロモンは、仲買業者にだまされ、南部の農園に奴隷として売られてしまう。そこから始まる苦闘の年月…。

主人公が黒人の楽器奏者という事もあり、虐げられた者たちとショービジネスとの関係について、思いが及んでしまいました。

ブルースやジャズといった音楽は、差別に苦しんだ黒人たちの中から、生まれてきたものでした。

ハリウッドを中心にした映画産業も、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人たちが主力となって育ててきました。

つまり、そうした音楽や映画は、虐げられてきた者たちの”叫び”や”表情”となって、彼らの思いを発信し続けてきたわけです。

そう考えると、現在のアメリカのミュージシャンや映画関係者たちの大半が、”反トランプ”のメッセージを表明しているのも納得できますね。

我々が彼らのアルバムを買って聴いたり、映画を観に行ったりすることは、間接的に彼らの発信力を支える事にもつながる。

壁を作るような政府に税金を払うよりも、壁を壊してくれるような芸術に対価を払いたい。

もちろん、アメリカのショービジネスのみに信頼を寄せたり託したりするのはナイーヴすぎるかもしれませんが、わが国を含む他国よりかは比較的信じられる気がするし、何より影響力が大きい。

我々の少ないお小遣いの”投資先”としては、最もコスパが高いんじゃないかと思うのです。


…あ~なんか、この映画単体の感想からは、かなりかけ離れたレビューになってしまいました。失礼しました(笑)。
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